フィルタ相関DMXレベルについて

近年ホリゾントライトもLED化が進んでおり、劇場への常設設置も増えております。 ただし、設置されているホリゾントライトの機種やメーカーが異なった場合に、同一のDMXレベルでは色のずれが生じる問題ついて検討した結果、各メーカー間、各機種間で色のずれを抑えたDMXレベルを測定し公開することとしました。

公開に際し考慮した点は、同じ仕込みを他の劇場(他のLEDホリゾントライト)に持って行った場合、色のずれを比較的簡単に修正できるように、ポリカラーの代表的な色に対しR,G,B三色のLEDでのDMXレベルを公開することとしました。

色についての検討

色を合わせるにあたって、公開する色、色調整の基準、使用しているLEDでは再現できない色をどう扱うか、などを検討しました。

公開する色について

公開する色は、JATET照明部会メンバーの意見を参考にし、ホリゾントライトにて一般的によく使われていると考えるポリカラーの下記19色を公開することとしました。
当初は下記19色を公開し、その他については今後検討いたします。
#140、#16、#22、#31、#40、#57、#59、#63、#64、#65、#71、#72、#77、#78、#84、#86、#87、#88

全19色フィルタの基準色度

ポリカラー
フィルタNo.140162231384057596364
基準色度x0.60610.50860.69460.62750.55500.51260.18050.26660.12250.3194
y0.29130.31410.30470.37160.39390.47010.39800.58250.29070.3679
ポリカラー
フィルタNo.657172777884868788
基準色度x0.16560.15470.13540.13030.20410.34590.15380.23440.3788
y0.27550.03730.08250.14390.25030.15240.07040.19100.3222

基準となる色の考え方

基本的にはフィルタの透過率に3050Kの光源の分光強度をかけたものについて三刺激値からの色度を計算し基準としました。(フィルタを通したハロゲン電球での照射光の色を再現したことになります) 透過率の測定に際しては精度を考慮し、試験場にて分光光度計を使用して測定を行いました。 色度の近似については基準となる色度(x_0,y_0)と作成した色度(x_k,y_k)の差の二乗和が最低となる各RGBの値としました。
表示色(R,G,B) = min(√((x_k-x_0)^2+(y_k-y_0)^2))
また、再現できない色についても二乗和が最低となるレベルを記載するようにしています。

なお、透過率測定用のフィルタについては㈱東京舞台照明様からご提供いただきました。

上記の考えを基に作成したフィルタ相関DMXレベルを各メーカーのサイトにおいて公開いたします。

今後フィルタ相関DMXレベルを公開するメーカーやフィルタの種類が増える予定です。

制定の経緯および詳細については2019年2月1日に開催するJATETフォーラム2018/19のセミナーで解説します。