平塚文化芸術ホール 舞台照明設備

丸茂電機株式会社 菅野誠義

はじめに

ひらしん平塚文化芸術ホールは、老朽化した平塚市民センターの建替えを中心とした見附台周辺地区の再整備事業として、2022年3月26日にオープンしました。

施設には3層構造で構成された1200席の客席を持つプロセニアム形式の大ホール、最大200名を収容できる平土間形式の多目的ホールがあり、当社では両ホールの舞台照明設備を施工いたしました。

大ホール


大ホール 客席

大ホールの舞台照明設備の特徴としては、プラグイン調光器による集中制御方式と移動型調光器による分散方式を幕前と幕中のエリアに分けて採用したことです。

以下、幕前と幕中のエリア分けてそれぞれの設備を解説します。

■プラグイン調光器を採用した幕前の舞台照明設備

プラグイン調光器は調光器盤から容易に取り外しが可能なユニット式になっており、将来的なLED化に伴い直回路への変更が必要となった場合や、故障時にユニット単位で交換が可能です。

シーリングライトやフロントサイドライト、バルコニーライトなど幕前の設備は、器具の吊り替えが少なく、基本仕込みの常設器具の使用が想定されるため、常設調光器盤に内蔵されたプラグイン調光器から調光回路を送っています。また、舞台床のフロアーコンセント回路についても、移動型調光器の設置スペースが限られるため、プラグイン調光器を採用しています。


調光器盤に内蔵されたプラグイン調光器


大ホール シーリングライト

■移動型調光器を採用した幕中の舞台照明設備

一方、サスペンションライトなど幕中の設備は、公演ごとに移動器具の吊り替えが必要になると想定されるため、移動型調光器による分散方式としました。この方式では演目や演出ごとに各バトンの調光回路を増減させるなどの柔軟な回路構成が可能なほか、直回路も取れるため、LED器具にも対応できます。

具体的には、幕中の各負荷設備に2kW×3chの移動型調光器を分散設置しました。移動型調光器の電源となる電源ユニットボックスには1φ3W電源を供給し、負荷側で直100Vと200Vを共用することで、多様な照明機材に対応しています。また、サスペンションライト用電源ユニットボックスの出力には、仕込み時の作業性を考慮してピッグテール方式を採用しました。

さらに、将来的なLED化や多チャンネル化を見据え、ホール全体にイーサネットを幹線としたネットワークを構築しています。調整室のメインネットワーク制御ラックを中心に、すのこ、機械室、客席上手、客席下手の各拠点にサブネットワーク制御ラックを設置。そこから各負荷設備へLANを配線し、負荷末端のDMX-NodeでDMXに変換することで、移動型調光器やLED器具の制御用として使用できます。

LED器具の導入については、ボーダーライト、ホリゾントライト、天井反射板ライトなどのフラッドライト系を中心に採用しています。


大ホール サスペンションライト


電源ユニットボックスと移動型調光器

■大ホール 電源設備・調光装置


大ホール 調光操作卓

■大ホール 負荷設備

■大ホール 断面図


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多目的ホール

■多目的ホールの舞台照明設備

多目的ホールの舞台照明設備はスポット系も含めオールLEDで構成していますが、移動型調光器も使用できるよう大容量の直回路60Aコンセントを各所に設備し、ハロゲン器具等の持込機材にも配慮した設備になっています。ホール内の制御信号については、汎用性の高いDMXで統一しており、LED器具または移動型調光器の制御に使用できるよう各負荷に敷設しています。

また、ホール上部のトラスは3つのブロックごとに昇降が可能となっています。


多目的ホール LEDホリゾントライト


多目的ホール トラス

■多目的ホール 電源設備・調光装置


多目的ホール ギャラリー

■多目的ホール 負荷設備

■多目的ホール 断面図


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おわりに

本工事の実施にあたり、関係各社の皆様には多大なるご尽力とご協力を賜り、無事に工事を完了することができました。

ここに改めて厚く御礼申し上げます。