平塚文化芸術ホールの供用について
平塚文化芸術ホール・見附台公園 指定管理者 ひらつか文化パートナーズ
総括管理責任者 小林宏年(株式会社神奈川共立)
はじめに
このたびは、JATETさまよりお声がけをいただき、平塚文化芸術ホールの施設概要についてご説明する機会を頂戴いたしました。
本稿では、ホールおよび隣接する見附台公園、さらには見附台地区全体がどのような経緯で整備され、現在のかたちに至ったのか、その背景とプロセスについてご紹介いたします。あわせて、運営事業者の立場から見えてきた考え方や気づきについても触れていきます。
なお本稿では、施設に来訪する方を「来館者」、諸室等の貸館利用を行う方を「利用者」、公演鑑賞を目的とする方を「観客」と表記しています。
平塚文化芸術ホールは、令和4年3月に供用を開始しました。
私は、平塚文化芸術ホールの館長を務めております小林と申します。職名は「総括管理責任者」としております。
これは、本施設に隣接する都市公園である見附台公園についても、私どもが指定管理者を務めており、公園の管理責任者とホール館長を兼ねているためです。現職に就く前は、他市でも館長職や舞台責任者を務めてまいりました。
平塚文化芸術ホールの概要
平塚文化芸術ホールは同地にあった平塚市民センターの建て替えとして整備されました。
1200席の大ホール、最大200名収容の多目的ホール、大会議室、小会議室、大練習室、小練習室、和室、文化芸術支援室、各楽屋などが設置されています。また敷地と隣接して西側に見附台公園があります。東海道線平塚駅からは徒歩7分程度で、中心市街地からもおよそ徒歩10分程度の場所にあります。
見附台周辺地区整備運営事業の位置づけ
本事業は、文化施設単体の整備にとどまらず「見附台周辺地区整備運営事業」として、周辺地域を含めた一体的な整備を行いました。
大規模小売店、飲食店舗、カフェ機能を備えたコンビニエンスストア、駐輪場などの便益施設、見附台公園、そして文化施設を、一つのコンソーシアムでまとめて整備しています。
そのため、文化施設単体での効果を考えるのではなく、地域として成果を出し、地域の価値を高めることを念頭に、提案および準備、施設運営に取り組んできました。
にぎわい創出と文化施設の役割

見附台周辺地区整備運営事業において、平塚市が求めるテーマの一つが「賑わい創出」です。平塚はもともと宿場町として栄え、商業が盛んな地域でしたが、近年はネットショッピングの普及や大規模ショッピングモールの出店、少子高齢化などにより、商店街を含めた地域の賑わいは以前ほどではありません。一方で、駅前中心市街地と見附台地区を結ぶ商店街には、現在も多くの店舗が立ち並び、一定の買い物・食事ニーズが存在しています。
見附台地区の価値を高め、駅前中心市街地を線で結び、回遊性を高めることが「にぎわい創出」の目的の一つです。
その拠点の一つとして、平塚文化芸術ホールを「行くと、いつも何かをやっている場所」と位置づけ、ソフト面ではこのコンセプトをもとに整備を進めました。
エントランスギャラリーでの展示、無料で利用できるフリーデスクの設置、アート分野の雑誌を閲覧できる情報コーナー、市のシティセールス展示などを通じ、来館者にとってのサードプレイスを提供し、共生社会の実現を意識した施設としています。
乳児から幼児を中心としたファミリー層にはキッズルームや公園の砂場・遊具を、小中学生には7,000㎡を超える公園・芝生広場を、高校生や大学生には館内各所に配置したフリーデスクを用意するなど、年齢層に応じた居場所づくりを意識しています。
また、廊下が一直線に延びる構成ではなく、曲がりながら諸室にたどり着く動線や、ガラス張りの会議室・練習室など、「中で何かが行われている様子が見える」つくりとしました。
これは、活動の様子を目にした来館者が芸術文化に関心を持ち、その裾野が広がることを期待したものです。
DBO方式による整備とコンソーシアム体制
本事業はDBO方式によって整備されました。
従来は施設完成後に運営事業者へ引き渡されるケースが多い中、設計段階から運営事業者として参画できたことは、効果的・効率的な施設運営につながったと実感しています。
応募にあたっては、大和情報サービス株式会社(現・大和ハウスリアルティマネジメント株式会社)を代表企業とし、清水建設株式会社、株式会社安井建築設計事務所、湘南造園株式会社、株式会社エス・ケイ・ディ、株式会社神奈川共立、日本管財株式会社、株式会社シアターワークショップの8社でコンソーシアムを組成し、見附台周辺地区整備・管理運営事業(A・Cブロック)に取り組みました。
公募は平成30年7月、優先交渉権者の決定は同年11月、指定管理者基本協定は平成31年1月に締結されています。
20年という長期指定期間に対して、公募開始から選定・協定締結までのプロセスは、非常にスピード感のあるものでした。
開館準備期間前の考え方の共有
協定締結後、要求水準書に定められた開館準備期間の前に基本設計期間があり、この期間を利用し、平塚市担当課と定期的に意見交換の場を設けました。
この意見交換の場は具体的な成果物を前提とせず、「どのようなホールを目指すのか」「平塚市として何を重視しているのか」といった根本的な考えを理解しあう場として非常に有効でした。担当者同士の信頼関係も構築できたかと思っています。開館準備業務が始まる前にこういった価値観を共有できたことは、結果的に組織同士の信頼関係構築にもつながり、その後のさまざまな判断が必要な機会において、大きな拠り所となっています。
また、自治体によっては文化振興を市長部局ではなく教育委員会がグリップしている場合もあります。平塚市の文化振興に関する考え方もこの時期に学ぶことが出来ました。
コロナ禍での開館準備
平成から令和へと時代が移り変わる中、社会は新型コロナウイルスの蔓延という、これまでにない大きな変化を迎えます。
このため当初想定していた準備期間中の市民参加型ワークショップなどは中止せざるを得ませんでしたが、令和3年度中の供用開始という期限は、平塚市の重要な施策でもあり、変更することはできませんでした。
感染拡大が本格化すると、マスク着用の徹底や、対面での打ち合わせを避け、可能な限りリモート会議を行うという社会環境へと変化していきました。
しかし、自治体との打ち合わせについては、すべてをリモートで完結させることは難しい状況でした。
報告会であればリモートでも対応できますが、ディスカッションやアイデア出しといった場面では、やはり対面のほうが効率的であると感じていました。
建設現場の近くに開館準備室を設置しましたが、感染対策の影響もあり、職場内で活発なコミュニケーションが生まれにくい状況が続きました。
結果として、準備業務はマイルストーンに従い、目の前の業務を一つずつ淡々とこなしていく進め方にならざるを得ませんでした。
また、この時期に、要求水準書では「(仮称)新・文化センター」とされていた施設名が「平塚文化芸術ホール」と正式に定まり、あわせて条例や規則についても順次整備されていきました。
周辺との直接的なコミュニケーションが制限される中でも、物事が着実に前へ進んでいくことに、ある種の安心や希望を感じていたことを覚えています。
今思えば奇妙にも感じられますが、当時は「ソーシャルディスタンス」「マスク会食」といった言葉が生まれるほど、社会全体が試行錯誤を続けていた時期でもありました。
制度設計と運営の実務
ホール運営は、会館が主催する文化自主事業も重要な役割の一つですが、実際の運営の多くを占めるのは、利用者の文化活動を支援する、いわゆる貸館事業です。
条例の制定により、平塚文化芸術ホールでは、ホール系施設は1年前から、会議室や練習室などの諸室系については6か月前から利用予約を受け付ける仕組みとなりました。
これにより、予約開始時期などの枠組みは定まりましたが、運営開始には、申請・許可・変更・還付といった一連の手続きを、現場で滞りなく回る形に落とし込む必要がありました。あわせて、予約システムの整備と運用習熟も並行して進めました。
舞台運用については、音響反射板や平台などの転換に要する時間、備品の配置や保管場所を含め、受付責任者・舞台責任者を中心に標準的な手順と所要時間を整理していきました。
大ホールの構成
平塚文化芸術ホールの大ホールは、ウイングおよびティザーを備え、間口・高さともに可変式のプロセニアム形式となっています。
実際の利用では、間口10間で使用することが多く、規模としてはいわゆる一般的な大ホールといえる構成です。
オーケストラピットも備えますが、ピットとして使うよりも舞台面まで迫り上げ、エプロンステージとして使うことのほうが多いです。また、吊物機構も巻き上げ式のため、舞台袖は意外とすっきりしています。ただし実際にケーブルラックや棚を置こうとすると空調の吹き出し口があったりしますので、設計者と適切に協議をすることが大事かと思います。
私自身は、ホール固有の「強い個性」は必要最低限に留め、表現の主導権は演出家や制作者が握れる“ニュートラルな器”であることが望ましいと考えています。このため色味が木目や黒が主体になったことは大変よいことだと感じています。
客席は3階席までありますが、1階席のみを使用した場合は700席に満たず、中ホール的な利用も可能となっています。
このことは観客が比較的少ない公演でも客席にまとまりが生まれる点や、出演者との距離を近く感じられる点など、運営を通じて想像以上のメリットだと感じています。
また、1階席・2階席・3階席では視点の高さが大きく異なるため、同じ公演でも見え方が変わり、「次は別の席で観てみたい」という楽しみにつながっている点も特徴です。
本ホールには一般的な織物の緞帳を設けておらず、両脇に常設の花道もありません(花道は仮設対応が可能で、下手側のみ部材を用意しています)。また常設のスクリーンもありません。
舞台管理の経験者として、これらのオミットは設計段階では一定の不安もありましたが、実際の利用においては、これらを強く求められる場面はほとんどありませんでした。
過剰な機能を持たせない構成は、今後の劇場整備においても一つの示唆を与えると同時に実演芸術で求められるものの変化というものも感じています。
多目的ホールの構成
平塚文化芸術ホールには、サブホールとして、多目的ホールが設置されています。ここは三分割した昇降グリッドが上部にあり、灯体はすべてLEDです。舞台や固定席はなく、必要に応じて仮設舞台を設置したり、スタッキングチェアを並べたりする仕様です。ホールというよりはスタジオというイメージかもしれません。
多目的ホールの特徴は両サイドがガラススライディングウォールになっていて、エントランスと公園の両側とも開放できることです。
この公園側のスライディングウォールを開放することで公園と一体利用をすることが出来ますが、空調効率の問題や音の問題、また秋冬には開口することによって枯芝が館内に入ってきてしまうこともあり、実際に運営をはじめてみると想定していなかった課題も少なくありません。
公園側スライディングウォール開口時には外側から微細な粉塵が侵入し、機器の光学系への付着等により不具合の要因となることがあります。供用開始後に、プロジェクターの修理を行った事例もありました。
また、多目的ホールでは大ホールのITV映像をプロジェクターから出力することができ、大ホールの楽屋・リハーサル室のような使い方も可能です。
共生社会を意識した空間構成
本事業の提案時期と重なる形で、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が施行されました。
私はこの法律を、文化施設が鑑賞の場を提供するだけでなく、共生社会の実現に向けて積極的な行動を求めるものとして受け止めています。
その考えを踏まえ、親子室を拡張したイメージとして「多目的室」を設ける提案を行いました。結果として大ホールには、親子室と多目的室を並びで配置し、1階席最奥部から個室として舞台を鑑賞できる構成としています。この多目的室は、障害のある方の利用を想定しつつも、仮設プロジェクターの設置、映像・編集用途、同時通訳、親子室の拡張利用など、柔軟な使い方が可能な空間です。特定の利用に限定しないことで、結果として利用の選択肢を広げることにつながっています。
また一方で、施設全体として来館者は図書館のような静寂さを求める人もいれば、児童館のように楽しく遊びたいと思う人もいます。友人と楽しくおしゃべりをしたい人もいます。新しいコンセプトの文化施設では、来館者にとってもマナーの線引きが分かりづらい状況が生じていました。運営としてはそれらを整理し、「他人に迷惑をかけないこと」「設備や備品を棄損しないこと」の2点の基本的ルールを設け、それを基準に来館者からの要望やクレームに対応していきました。これらは問題が起きた箇所には注意喚起文をたてて、利用者マナーを啓蒙していきました。
運営を通じて見えてきた設計上の気づき
供用開始後、実際の運営を重ねる中で、設計段階では見えにくかった点や、設計意図の効果を強く実感する点が明らかになってきました。
・サイン計画と来館者の行動
サイン計画は、準備期間中に設計者・平塚市・運営事業者の三者で綿密に検討を重ねました。
しかし、最終的にはある程度デザイン性をもたせた構成となったこともあり、結果として抽象性の高い表現となりました。施設に不慣れな来館者にとっては目的地が直感的に分かりづらく、総合案内への問い合わせが非常に多く発生しています。
来館者の行動を見ていると、「まず動いてみて、分からなければ人に聞く」という傾向が強く、サインは“見せる”ものというよりも、“迷わせない”ための補助として機能させることが重要であると感じています。一方で、総合案内の存在が非常に大きく、来館者の安心感につながっている点は運営上の強みでもあります。
・公園とホールの関係性
見附台公園と平塚文化芸術ホールは隣接しており、要求水準上は一体的な利用を促すため、境界をシームレスにした構成となっています。
屋内外を連続した空間として捉えられる点は魅力的ですが、施設と公園でルールが異なる場面では、運営上の判断が難しくなることもあります。
例えば、施設敷地内は全面禁煙である一方、公園内では喫煙に関する禁止規定がありません。(火気使用については制限があります)
また、公園でイベントが行われている同時刻に大ホールでクラシックコンサートが開催される場合など特色の違う催事が同時に行われることもあります。これは来館者の期待値との調整が課題となることもあります。(厳かなクラシックを鑑賞する気持ちで来てみたら、公園に屋台や幟が出ていたなど)
これは文化芸術ホールの条例と都市公園条例という、異なる根拠法令による構造的な課題であり、運営のみで解決することは難しい部分です。


大ホールホワイエに面した屋外空間は大ホール利用者が使用できるスペースとして計画されていますが、通常はガラスのアコーディオンドアによって区画されています。屋外空間であるがゆえに、公園利用者が大ホール前の屋外スペースや階段に腰掛けてしまう場面も見られました。その結果、ガラス1枚を隔てただけの距離で、ホワイエ内で開演を待つ観客と屋外に滞留する公園利用者が近接する状況が生じることとなります。この状況を避けるため、現在は仮設のポールやチェーンを設置し、大ホール利用者の視界からある程度公園利用者を遠ざけるよう運用面で対応しています。多目的ホールも同様にある程度バッファとなる空間をつくるため、仮設のポールチェーンを屋外に設置しています。施設と公園をシームレスにつなぐ思想は「賑わい創出」や「共生社会実現」といった点からも非常に魅力的で可能性を感じる一方、運営事業者による補完が不可欠であることを実感しました。
また、このガラスアコーディオンドアは、設計の効果を強く実感することがあります。
駅や中心市街地からの最短ルートではないため、使用機会はそんなに多くはありませんが、短時間に大量の来館者が入退場する必要がある催事では、滞留が生じにくく、短い時間で入退場が可能です。

非常時には避難動線として活用できる点も大きなメリットです。一方で前述した、大きく開口することで空調効率が低下するという側面もあり、運用に当たっては注意が必要です。それでも公園側から大ホールを望んだ際に、間口いっぱいに開く入場口が生み出す景観は非常に印象的であり、建築的なスケール感と機能性を高いレベルで両立した空間であると感じています。
・ガラス面の多さと環境条件
館内はガラス面を多く用いた開放的な構成となっていますが、西日による眩しさや外気温など、時間帯や季節による環境条件で配慮が必要な場面もあります。特に西側にガラス面が多い大ホールホワイエや2階の文化芸術支援室などは西日の影響を強く受けます。夕方の時間帯には利用者から眩しさに関する意見が寄せられたこともあり、運営上の配慮が必要となるケースもありました。これについてはカーテンやブラインドの活用など、運用面で調整を行いながら対応しています。
・「見せること」と「使われること」
運営を始めると、「活動が見えることで関心を喚起する」という意図とは裏腹に、「練習や会議はあまり見られたくない」と感じる利用者が少なくないということもわかってきました。特に集中を要する練習や身内の会議などは、オープンな状態がむしろ心理的な負担になる場合があります。また、1階に配置している大会議室や大練習室は大ホール利用時に楽屋としても機能するよう導線が計画されています。そのため用途によってはオープンさよりもクローズドな環境が求められるケースもあります。こうした実情を踏まえると「見えること」が常にプラスに働くのではなく、利用目的や利用者心理に応じて視線を適切にコントロールできる余地が重要であると感じています。
「見せること」と「使われること」は必ずしも一致するものではなく、そのバランスをどのようにとるかは、設計と運営の両面から考えていく必要があるテーマであると、あらためて感じています。
・適正な人数配置とそれを支える安全装置
本施設では、業務内容や時間帯に応じた適正な人数配置を前提としています。
そのうえで、防犯カメラをはじめとした設備が、安全性と運営品質を支える重要な役割を果たしています。防犯カメラは個人情報保護への配慮を前提にしつつ、運営上は死角を減らす多角的な配置ほど、初動と安全確認の精度が上がり、結果として現場の負荷低減につながると感じています。また、外部に通じる扉の施錠管理についても、個別対応ではなく一括管理できる仕組みがあれば、運営負担はさらに軽減できたと感じています。設計段階では後回しになりがちな要素ですが、長期運営を見据えると不可欠な視点であると言えます。
新たに整備される文化施設に向けて
平塚文化芸術ホールは、設計段階から長期の運営を見据えた検討を重ねながら整備されましたが、それでも実際に使い始めてから見えてくる課題や気づきは少なくありませんでした。
これはメインとなる大ホールや多目的ホールの整備、メインテーマである賑わい創出や公園との一体利用などにリソースが割かれ、ディティールの部分は後回しになってしまったためです。
そのため、サイン計画、空間の開放性、公園との関係性、人員配置を支える設備計画など、いずれも図面上では整理できていたはずの事項が、実際の運用では、設計段階の想定どおりにいかない局面もありました。やはりこのギャップを埋めるには設計・構想段階で地域の特性を深く知り、想像力を膨らませることが重要であると再認識させられました。
私自身は、DBO方式は運営の実務を想定しながら、設計側に提案を行うという、非常に良い手法だと考えています。ただしDBOも絶対解ではなく、例えば運営3年程度経過した後に施設に若干の改修を行う余地を残すよう措置すれば、設計時の思想と実利用のギャップを埋め、よりよい施設整備ができるのではないかと思っています。
また実際の運営事業者はハード的な課題を抱えながらもそれを運用面で補完しながら施設運営を行っているケースが多いかと思います。運営事業者と設計建設事業者がよりコミュニケーションをとっていくことで、お互いを理解し、ハード・ソフト両面でよりよい劇場が今後もできていくものだと考えています。
文化施設は、竣工した時点で完成するものではなく、運営を通じて育っていくものだと感じています。設計建設事業者が作ったものを運営事業者が受け取り、利用者や自治体と一緒に育てていくものです。今後、社会情勢の変化や文化施策の改定はあるかと思いますが、平塚文化芸術ホールは、間違いなく長く地域に役立つ施設になるであろうと確信しています。
本稿で紹介した事例や気づきが、今後の文化施設計画や劇場づくりにおいて、設計と運営をつなぐ視点の一助となれば幸いです。
